有料老人ホームとの契約でトラブルを避ける

有料老人ホームとの契約で起こりがちなトラブル

平成18年10月から有料老人ホームの権利形態の表示が見直されるようになりました。

終身利用のつもりで入居しても、重篤な病気で入院を余儀なくされることや、また認知症で退去を命じられるケースも出てくるでしょう。

これまでの「終身利用権方式」という言葉が誤解を招き、入居時の一時金の返還をめぐるトラブルが起こることがありました。そこで、「終身利用権方式」は次のような「利用権方式」に改められました。　

有料老人ホームを契約する際には、権利形態と退去の要件、料金体系について確認しておくべきです。

介護付き有料老人ホームの料金体系

介護付き有料老人ホームの料金体系は大別すると「入居金方式」と「月払い方式」に分けられます。

入居金方式は、入居時に数百万〜数千万円以上よいうまとまったお金を払います。一定年数分の家賃などの先払いという位置付けで、その分月々の料金は低めに設定されている傾向にあります。どちらかといえば、長期入居に向いているため、自立・混合型のホームはほとんどがこの方式です。介護型でも高級ホームになるとこの方式が多いです。

一方、月払い方式は、入居金なしか、数十万円と格安に抑えられ、月額利用料を支払う方法です。入居期間が短い場合に向いており、介護型に多く見られます。

ところで、入居金について、しばしば「償却」という言葉が使われます。これはいわば、ホーム側の”取り分”で、いわゆる減価償却とはまったく違うものです。たとえば、初期償却とは「頭取り」とも呼ばれるもので、入居時にホーム側が一定額を回収してしまい、入居者には戻ってこないお金となります。償却期間は、頭取りしたお金の残りを、ホーム側が一定の割合でゼロになるまで回収する期間のことをいいます。

つまり、この頭取りの割合（初期償却率）が大きかったり、償却期間が極端に短ければ、入居者が解約して退去する際、戻ってくるお金はほとんどありません。入居金をめぐるトラブルの大半は、、ホーム側の頭取りの割合が不当に大きかったり、契約内容を十分に入居者に説明していないことが考えられます。

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